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いざという時のお金。「入院治療したらどれだけ掛かる?」

2012/01/27

急な病気や事故で入院。命に別条はなかったものの、気になるのは治療や入院に掛かるお金のこと。「もうすぐ退院できますね」と笑顔でナースに語りかけられて、表向きは「ええ」と笑って応えたものの、ベッドの上で悶々としてしまう。知り合いのソーシャルワーカーさんの話では、そんな方が意外に多いのだとか。

現在の医療保険制度では、一般的に自己負担は3割です。たとえば200万円掛かる手術を受けたとしたら、退院する時に60万円払わなければならなくなってしまう。急にそんなお金を用意するのは無理。どうしたらいいの…と悩んでしまうというのです。

高額な医療サービスを受けることになった人にぜひ知っておいていただきたい制度に、高額療養費制度があります。病院などの医療機関や保険調剤薬局に支払った医療費の自己負担分が、一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合に、超えた部分の金額が高額療養費として保険から給付される仕組みです。

たとえば、35歳で標準報酬月額(給与などの月額)が30万円の人が、総医療費200万円の治療を受けた場合の自己負担限度額は、

80,100円+(総医療費2,000,000円-267,000円)×1%=97,430円

となり、3割負担分の600,000円から自己負担限度額を差し引いた502,570円が給付してもらえるのです。つまり、退院する時に支払うお金は自己負担限度額の97,430円。ちょっと安心できたでしょ。

それでもやっぱり色々掛かってしまうのです

そうは言っても、入院するとやっぱりいろいろ出費がかさむものです。小さいものでは、洗面用具やコップ、パジャマにはじまって、テレビやコインランドリーのカード代、家族が付き添う際の貸布団や貸ベッド代などなど。退院した後も、通院のためのタクシー代など、なんやかんやお金が掛かってしまいます。しかも、入院して収入が減っている場合もあるかもしれません。

やっぱり元気が一番。病気やけがをしないように健康に心がけた生活を送りたいもの。とはいえ、病気やけがは突然やってきます。いざという時に慌てないためには、非常用のお金をプールしておくことが重要でしょう。

給料から天引きで積み立て貯蓄をするとか、たとえば借金の返済をしている場合でも、ぎりぎりの金額を返済するのではなく、非常用のお金は別会計として残しておくとか。安心のための「別のお財布」を用意しておくのです。

何が起こるか分からない突発的な出来事に対して、100%の備えをしておくのは大変(たぶん不可能)ですが、当座のやり繰りができて、高額療養費制度の利用で医療費の支払いができる程度の準備をしておけば、日々の暮らしの安心感が違ってくるように思います。

キャッシングやローンのCMで「計画的に!」という言葉をよく見かけますが、計画性がたいせつなのは、お金を借りた時だけではないかもしれませんね。いざという時に困らないように、人生もちょっと計画的に!

耳よりメモ -1-

高額療養費は医療機関ごとに、入院と外来は別扱いで、1カ月ごとに計算されるなど、ちょっと複雑な制度です。たとえば、1月27日に入院して、2月15日に退院した場合は、1月分と2月分が別計算になります。複数の医療機関に受診した場合も別計算です。高額療養費の計算は年齢、収入などによっても異なるので、健康保険の相談窓口や病院の医療相談窓口、医療ソーシャルワーカーなどに相談することがお勧めです。

耳よりメモ -2-

総量規制によってキャッシングでの借入は年収の3分の1までと定められていますが、「緊急の医療費の貸付け」は総量規制の例外とされています。

耳よりメモ -3-

国民健康保険や健康保険組合など公的な保険が適用されない高度な先進医療は高額療養費制度の対象外です。がん治療として有名な「重粒子線治療」や「陽子線治療」などには適用されません。保険適用外の医療を比較的安価に受けようと思ったら、民間の医療保険の特約にあらかじめ入っておくことがお勧めです。

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